「鑑真和上 故国の土を踏む 前進座中国公演の足跡」

  • 2014.06.03 Tuesday
  • 00:00
JUGEMテーマ:気になる本

 
 【こんな一冊の本】
 
   
    鑑真和上 故国の土を踏む
 
   
        前進座中国公演の足跡                                              
 

             
  

                 十島 英明/著
 
   

 ==========================================================
    
    
  谷村新司さんのスケールの大きな『昴』が好きです。あの
  曲
を聴く度に、唐招提寺の南大門をくぐって、やがて金堂
  が見
えてくるアプローチを、そして井上靖作の『天平の甍
  』を思
い出します。というより、『天平の甍』が心から離
  れないで
いつもあります。 

  それで手に取ったのが本書です。  
 
  井上靖原作の「天平の甍」の舞台は、2002年5月に国立劇
  場
で上演した。それは日中国交正常化30周年、鑑真和上渡
  日12
50年を記念してのもの。公演は好評を得て、「鑑真和
  上を里
帰りさせよう」との話が起こり、日中両国の関係諸
  機関、友
好を願う多くの人々の協力はもちろんのこと、さ
  まざまな難
関をのり越えて実現した。  
 
 
   本書では、前進座の三次にわたる中国訪問公演の軌跡とそ
  こ
で派生した事件などをおりこんで綴られる。とくに二次
  訪中
公演の1966(昭和41)年はプロレタリア文化大革命の激
  動期と
重なり、前進座は中国の覇権主義に少なからぬ影響
  を受けた。  

 
  今回の公演はそれから37年ぶりであった。
 
  文革を全く知らない世代が本書を読んだとき、どんな感想
  を
もらすでしょうか?感想もへったくれもないでしょうね。 
  吉祥寺にあった前進座劇場も今はなく、時代を感じさせま
  す。
前にも書きましたが、1度だけ中村梅雀さん主演の舞
  台『お
れの足音』を観に行ったことがあります。印象深い
  いい大石
内蔵助でした。
 

  草の根出版会も需要低迷により倒産して、今はもう存在し
  な
いそうです。 
 
  最後の最後に。
 
  奈良西ノ京にある唐招提寺では今月5日(木)から8日(日)
  ま
で、御影堂を特別公開して鑑真和上像厨子開扉するとH
  Pに
ありました。
   
      若葉して御めの雫ぬぐはゞや
  
  芭蕉翁が旧暦4月8日に唐招提寺に参拝して詠んだ句だそ
  う
です。

 
    
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       前進座のホームページは

 
 
       http://www.zenshinza.com/
 
   

       唐招提寺のホームページは
 
 
       http://www.toshodaiji.jp/
 
   
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       鑑真和上 故国の土を踏む
 
   
        前進座中国公演の足跡                                              

 
 
         
  
                 十島 英明/著
   
 
         
      
            2007年2月初版  草の根出版会刊
             
 
   
 
   
   ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
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「世にもおもしろい狂言」

  • 2012.09.23 Sunday
  • 13:50
JUGEMテーマ:気になる本

 

 

 

 

 【こんな一冊の本】

 

 

 

 

       世にもおもしろい狂言

 

 

 

 

 

                 茂山 千三郎/著

 

 

 

  
 ===============================================

                         

 

 

 日本の伝統芸能についてどれぐらい語れるかを訊ねられたら、
 っとつまって「さあて、どないしよ」となるでしょう。

 

 現代の日本人にとって、できることならこの質問は避けて通りた
 いというのが大方の本音ではないでしょうか。また訊か
れて初め
 て「伝統芸能」が未知の分野だと気づく方もおいで
でしょう。

 
数ある「伝統芸能」の中で、室町時代に大成したとされる「能、
 狂言」はどうでしょう。のるまんじいなんか「ヤバし!」
です(
 笑
)。「能」と「狂言」のどちらも生まれてこのかた「
生」の舞台
 を観たことがまだないんです。

 

 だから偉そうなことは言えません()。それでも茶道を少しでも
 かじっていると、やはり「能」も「狂言」も知っておい
た方がい
 いと思っています。

 

 そんなもので本書を図書館から借りてきたのでした。

 

 茂山家といいますと、(あっ、「しげやま」と読みます)どうし
 てもテレビ出演の機会が多い「宗彦(もとひこ)」「逸平」
兄弟
 を思い浮かべますが、
23人の狂言師を始めとする一門だ
そうです。
 この一族の結束の固さは素晴らしいの一言に尽き
ます。

 

 ちなみに現在、「狂言」には、大蔵流、和泉流という流れがある
 
そうです。映画『のぼうの城』が今秋公開されますが、この作品
 
を始めとして狂言以外の世界でも活躍中の野村萬斎さんは和泉流
 に
なります。茂山家は京都を本拠に置く大蔵流なのだそうです。

 

 その茂山家では、昭和初期から呼ばれたらどこへでも出かけて行
 く<出前狂言>を始め、「おかずに困れば豆腐にせい、
余興に困
 れば茂山の狂言にしとけ」と揶揄されたぐらいに「
断る」ことを
 せずにどこへでも出向いて、舞台を続けたそう
です。いろいろと
 料理になる豆腐と同じようにみんなか
ら親しまれるようにと<お
 豆腐狂言>と自らのそれを呼んで
今に至っているそうです。高ぶ
 らない姿勢が素敵ですね。

 

 さて。

 

 本書には次のようなことが書かれています。抜粋でご紹介させて
 ください。

 


   プロローグ 舞台から元気を

   

 狂言は生活のサプリメント?


   
第1章 狂言って、だいたいこんなもの

   

 狂言師ってどんな人?

   

    
   第2章 「名乗り」で狂言は始まります 決まり事を知る

   

『附子(ぶす)』を現代語に直してみると

     狂言の<流れ>は能のパロディ

    道行は、瞬時に移動できる便利な手段

   

    
   第3章 「太郎冠者」ってどんな人? キャラクター大分析

   

 登場人物には名前がない

      太郎冠者は「おバカ」なキャラクター

       主人は「理不尽」だが、やさしい

      主人はスーツを着ている

       狂言の装束は庶民的

        装束担当は狂言師自身


 
 

 第4章 狂言をどう演じるか

    

     とにかく<すり足>

    テレクラに必要な小道具は?


 
 

 第5章 人間肯定劇としての狂言

   

     昔の狂言はアドリブ合戦?

      室町時代の吉本新喜劇

   


   第6章 遊び心あふれるセリフたち

   

 擬音をセリフで

 擬音には遊び心が表れている

     一人称は「身共」、二人称は「我御料」

     距離や時間を表す言葉


 

     エピローグ 歴史の中の千三郎


   
   四十歳で『狸腹鼓』を披く

   
 
「狂言師の1週間」という流れを読みましたが、地方公演も多
 てなかなか大変だなと思いました。

 

 また。茂山家と江戸幕末期のかの大老井伊直弼とのつながりも書
 かれていて興味深く読みました。茂山家が『狸腹鼓』を大
切な曲
 としているのもここで明かされています。

 

 FM京都のラジオ番組のパーソナリティや近畿大学、聖学院大学

 で講師を務める千三郎さんの語り口を感じながら、楽しく読め
 と思います。

   

 一般向け。日本の古典芸能に一歩足を踏み入れてみようかなと
 われる方にお薦めです。中3や高2でこれから「狂言」を学
校の
 特別鑑賞教室で見るんだといったような若い人たちにも一
読をお
 薦めします。

 

 

 ==============================================

 

 

    お豆腐狂言 茂山千五郎家 のホームページです

 

 

       http://www.soja.gr.jp/




       映画「のぼうの城」のオフィシャルサイトです



       
http://nobou-movie.jp/

 

 

    
 ===============================================

  

 

 

        世にもおもしろい狂言

 

 

 

 

                  茂山 千三郎/著

   

 

 

            200612月 初版 集英社刊

             

 

 

            集英社のホームページは

 

       http://www.shueisha.co.jp/

 

 

 


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

   ===============================================

「小沢昭一―僕のハーモニカ昭和史」

  • 2011.09.24 Saturday
  • 07:57
JUGEMテーマ:オススメの本


 
  
【こんな一冊の本】

 

 

 
   
小沢昭一――僕のハーモニカ昭和史    

 

 

 

 

               小沢 昭一/著

 

 

 
    ============================================= 

   

   

 
 このブログをお読みくださっているみなさんのどの年代以上の方
 だったら、小沢昭一という俳優の名まえを挙げたとき 
、そのお
 顔をすらっと頭に思い描けるだろうか。

 

 小沢さんは1929(昭和4)年生まれで、今年82歳になられる。正直
 なところ「ええ〜、もうそんなにおなりなの」と驚いた
のと昭和
 4年生まれの方が
80歳を越えていることそのものに
も驚いた。自
 分の歳をすっかり棚に上げていることも忘れて、
である。

 

 いきなり話が飛んでしまって恐縮だが、例の「悪魔のささやき」
 がぼやいていたことを思い出した。あやつは、私立中学
を受験し
 ようという小学生たち(のるまんじい呼ぶところの
「小悪魔」た
 ちである)に国語を教えているのだが、漢字テ
ストでその小悪魔
 の中で、「昭和」を漢字で書けないものが
いるというのである。

 

 「『照和』なんて序の口なんだよね。思いもつかないらしいよ。 
 「昭和」は彼らにとってすでに遥か彼方の歴史の一部な
んだよね。 
 そういえば、
10円玉だって気がつけばみんな「平
成」だし、「ギ
 ザ
10」なんか見つけたら子どもたち狂喜乱舞
だもんな」

 

 考えてみれば「平成」の御代に生まれて育った「小悪魔」たちだ
 から、「昭和」を知らなくても仕方ないかと思う一方で
、この漢
 字は小学校で教えるだろうし、家庭の日常の会話の
中に出てくる
 だろうにと妙にすっきりとしないのるまんじい
がここにいるので
 ある。

 

 そんな現代にあって。

 

 昭和初期に産声を挙げて、“戦前”、“戦中”、“戦後”と思い
 っきり突っ走り続けて活躍なさっておいでの小沢さんが
、舞台で
 あるいは講演で話されたものがこの本の第1章であ
る。

 

 参考までにここでつけ加えておこう。

 

 

  第2章 小沢昭一的――徹子の部屋

 

  第3章 小沢昭一的――この日、集合


 昭和とはどんな時代だったのかを自らの経験をもとにして語
って
 おいでだから、それはとても貴重だと思う。

 

 ハーモニカ――

 

 この名まえを聞くと「焼け跡世代」ということばが頭の中をよぎ 
 る。のるまんじいはこの
世代よりもずっとあとの世代で
はあるが、 
 「ハーモニカ」とはまだ身近にあった。それでも
小4の音楽の授
 業からハーモニカに替わって「リコーダー」
が登場し、重松清さ
 ん描くところの「アマリリス」の世界を
味わったのだった。

 

 小沢さんは、あとがきの中で、こう書いている。

 

           (前略)

 
私が老朽化するにつれて、ますます、ハーモニカの哀切なる音色
 が、私にピッタリしてきたようで、また、どうやら、昭
和生まれ、 
 昭和育ちで、昭和人間を自認する昭一に、この昭
和のにほいを発
 散する楽器が、“お仲間”のようになってい
るに違いないです。

 

           (中略)

 

 あの音色は、そっとわが身を包んで、心の奥の方をジンワリと温
 めてくれもするんですよ。

 

 その後にこんな俳句が続く。

 

   落第や 吹かせておけよ ハーモニカ

 

 戦中の麻布中学の生徒で、純粋に軍国少年だった昭一少年は海軍
 兵学校を志願した。そして合格を果たし、現在ハウステ
ンボスが
 ある長崎県の針尾島の兵学校に入学したのだった。

 

 最初の荷物検査で、そんな切ってもきれない筈のハーモニカをポ
 イっと取り上げられてしまったのだった。

 

 こんなことも語っている。

 

 兵学校が山口県の防府に移ってからのことだ。艦載機の攻撃から
 山の茂みに逃げたとき、専属の教官と2人だけになって。

 

 「小沢!お前、寂しいか?」と訊ねられたという。とっさのこと
 で嘘もつけず「ハイ。寂しいです」と答えたら、「うん
、俺も寂
 しい」って。この一言に救われたという。

 

 教官も学徒動員みたいな大学生だったらしい。   

 

 終戦を迎え、危ない目に遭いながらも貨車で命からがら帰京した
 昭一少年は、焼け野原の中から再びハーモニカを執念の
ごとく探
 し出し、自分のものにしたのだった。

   

 後年『ハーモニカブルース』という歌にした。

 

 

             谷川俊太郎作詞/小沢昭一補作詞

 

             小沢昭一作曲/山本直純補作曲

 

 

    ハーモニカが欲しかったんだよ

    どうしてか どうしても

    欲しかったんだ

    ハーモニカが欲しかったんだよ

    でもハーモニカなんて

    売ってなかったんだ

    戦争に負けたんだ

    かぼちゃばっかり

    喰ってたんだ

 

    ハーモニカが欲しかったんだよ

    どうしてか どうしても

    欲しかったんだ

    ハーモニカが欲しかったんだよ

    もう機関銃は

    欲しくなかったんだ

    戦争は負けたんだ

    誰も俺を待ってなかったんだ

    

      (以下略)

 

 この帰郷の途にあるとき、広島駅の引き込み線で貨車が半日以
 停車したのだそうだが、そこで“火の玉”を見たと思った。
しか 
 し、実際にはそうではなく原爆で犠牲となった人びとの死
体を荼
 毘にふしている火だった。そしてその時のにおいが終生
忘れられ
 ないという。

 

 そこでこんなことを思い出した。

 

 70年から80年代のことだが、そのころアイドルと騒がれていたあ
 る男性歌手が「広島の人間と握手すると原爆がうつる」
とか「広
 島は原爆くさい」という内容のことを言ったというこ
とを広島出
 身の人から聞かされたことを思い出した。どうして
そんなでたら
 めを言ったのか、くやしくてくやしくて仕方がな
かったという。

 

 しかし、昭一少年は、引き込み線の貨車の中で、それまでの「
 ね死ねというものの考え方」から「今日の人間の命というも
のは、 
 何にもまして尊いものだ」という、そういう考え方に切
り替わっ
 たように思ったという。

 

 こんなふうに書いてくると、「きょうののるまんじいいつもと
 うんじゃないかい?大
丈夫かね」と心配されそうである。

 

 そこで、「昭和」が暗いだけの時代ではなかったことも記して
 かねばなるまい。のるまんじいにとっても昭和は人生の前半
その
 ものなのだから(笑)。

 

 それでも、きょうは「小沢昭一的」にまいろう。

 

 『丘を越えて』という歌をご存知の方はどの世代ぐらいまでだ
 うか。

 

 戦後の自由を歌いあげた『青い山脈』の歌唱や大晦日のNHK
 「紅白歌合戦」のフィナーレでタクトを振っていた藤山一郎
さん
 が歌った1曲が『丘を越えて』である。

 

 もともと明治大学マンドリン倶楽部のために作られたもので、
 に詞がつけられ、
1936(昭和6)年に発売された。

 

 軽快な長めのマンドリンによる前奏(初めてお聴きになるとさ
 や驚かれるだろう)に続いて端正な歌唱が始まる。後年、矢
野顕
 子やつじあやのによってカヴァーされている。こんな歌詞
である。

 

 

 

   丘を越えて         作詞/島田芳史

                 作曲/古賀政男   

 

 

     丘を越えて 行こうよ

     真澄の空は 朗らかに晴れて

     楽しい心

     鳴るは胸の血潮よ

     讃えよ わが青春(はる)

     いざ行け

     遥か希望の 丘を越えて

 

 

     丘を越えて 行こうよ

     小春の空は 麗らかに澄みて

     嬉しい心

     湧くは胸の泉よ

     讃えよ わが青春を

     いざ聞け

     遠く希望の 鐘は鳴るよ       

 

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