「60歳からの脳内リセット!」

  • 2014.03.02 Sunday
  • 12:30
JUGEMテーマ:気になる本
 

 

 

 

   【こんな一冊の本】

 

 

 

 

       60歳からの脳内リセット!

 

 

    

 

 

 

                斎藤 茂太/著

 

 

 

   ==============================================================

 

   

   

   

   雨降りの日の移動の手段としての電車の中での過ごし方、みな

   さんはどうされておいでだろうか。

 

   のるまんじいって生来の“ぐうたら”だから、雨の日はできる

   ことなら家から外に出たいとは思わない。億劫で仕方ないのだ。

   それでも仕事があるから、内心「ブス」っとしながら出かける

   のだが。

 

   車中での過ごし方――。

 

   未だスマホに乗り換えられないでいるのるまんじいは、「眠る

   」「移り行く車窓の景色に目をやる」「人間観察をする(それ

   に値す人がいれば、の話だが)」そして「本を読む」のいずれ

   かで時間をつぶしている。

 

   「時間をつぶす」ということで、“本読み”の中身も存外軽い

   内容のものにしている。

 

   ましてや雨の日、傘1本増えると憂鬱になり、よりコンパクト

   な文庫、新書の類を鞄の中に忍ばせることにしている。

 

   いささか長くなったが、本書はそういう時に読んだ1冊だ。

 

   著者の斎藤茂太氏は言わずと知れた、神経科医で、歌人の斎藤

   茂吉の長男で作家の北杜夫氏の兄にあたる。ご自身も精神神経

   科斎藤病院の名誉院長で、アルコール健康医学協会会長を始め

   多くの役職を務めた。

 

   本書は氏が最晩年に書かれたもので、90歳のときの著作にな

   る。

 

   90歳という年齢を感じさせない、瑞々しくユーモアにあふれ

   た文章になっている。それに有難いことに中年以上を読者対象

   に考えているからだろうか、活字が大きくて読み易いのがいい。

 

   ユーモアは北氏と同じで、血筋だろうか。尊父の茂吉からは微

   塵も感じられないから、母堂輝子さんや祖父の紀一氏の方から

   受け継がれたのかも知れない。そう考えると北さんの『楡家の

   人々』を数十年ぶりに読んでみたくなった。

 

   それはともかく。

 

   今でいう“さっくり読めて胃にもたれない”そんな1冊である。

 

   ちょっと章立てを書いてみよう。

 

 

     第1章 60歳からの不良宣言

 

 

     第2章 会社人間の大敵は「ヒマ」

 

 

     第3章 遊び上手は生き方上手

 

 

     第4章 ワンタッチ時代にこそ、遊び心を! 

 

 

    不良中年――

 

   何とも魅惑的なことばではないか。少し前に流行った“ちょい

   悪オヤジ”と通ずるか。

 

   ここで、著者は会社を卒業したオヤジたちに映画『Shall we 

      ダンス?』(周防正行監督)を例に出して、趣味を持とうと語

   る。趣味の原点は「こども心」にあると。そしてそれは「遊び

   心」でもあると。

 

   趣味を長続きさせる条件として、

 

   1)経済(生計)と無関係のもの

 

   2)非日常的なもの

 

   3)MUST(〜しなければならぬ)ではないもの

 

   を挙げている。

 

   確かにそうだなあ。

 

   さらに「好奇心は老化のバロメーター」だとも。

 

   旅行作家協会(そんなのがあるんだ!)で一緒だった漫画家の岡

   部冬彦氏と著者は「帽子」を集めるライバルだったんだって!航

   空会社なんかのそれを集めていたようだ。阪神電車や伊予鉄道の

   車掌の帽子もあったとか。自慢げに見せびらかしている図が浮か

   んできて微笑ましい!

 

   日本航空の機内のイスをペアでもらったり、全日空のプロペラを

   手に入れたまでいくと、のるまんじいは「さすが有名人!」と思

   ってしまい、羨ましさも超えてしまう(笑)。

 

   ときめきを失うな、では、良寛さんと貞心尼の交流を描いている。

   現代においても、肉親や友人に迷惑をかけない恋愛であれば大賛

   成だと釘を刺すことも忘れていない。

 

   最後に、来世でも「遊び心」だけは大切にしたいと書いておられ

   る。

 

   そこでは、かの岡本太郎氏との出会い、付き合い、そして別れと

   書いている。瀬戸内寂聴さんがお経を読んだ、氏の納骨式のとき

   「芸術は爆発だ!」という声が聞こえてきた、そうだ。

 

   著者はもう三途の川を渡ってしまったが、あちらで茂吉、輝子夫

   妻に出会っただろうか。遠藤周作さん、長谷川町子さん、三島由

   紀夫さんとも再会を果たせただろうか。

 

   いや、向こうで弟の北杜夫さんを迎えただろう。

 

   きっとユーモアたっぷりの会話をみんなで楽しんでおられること

   だろう。

 

   今を生きることに、常に前向きに、ポジティブに、でも肩肘張り

   すぎて無理をせずに、リラックスして、楽しめよ、そんなメッセ

   ージにあふれた1冊だろうと思う。

 

   一般向け。定年間際のサラリーマン諸氏には特にお薦めの1冊だ

   と思う。

   

 

 

   ==============================================================

 

 

 

 

      赤光会  斎藤病院は 

 

 

 

      http://www.saitohp.jp/

 

 

 

     「赤光」は茂吉さんの歌集『赤光』からなでしょうね

 

 

 

   ==============================================================

 

 

 

 

      日本旅行作家協会のホームページは

 

 

 

      http://www.jtwo.net/

 

 

 

 

   ==============================================================

 

 

 

      伊予鉄道のホームページは

 

 

 

      http://www.iyotetsu.co.jp/

 

 

           (東日本の人間には馴染みが薄いので)

 

 

 

 

   ==============================================================

 

 

 

 

        60歳からの脳内リセット!

 

 

    

 

 

 

                斎藤 茂太/著

 

 

 

                                 2006年4月 初版 佼成出版社刊

                   

         

      

           佼成出版社のホームページは

 

 

           http://www.kosei-shuppan.co.jp/

     

   

 

   

   ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

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「阿呆のすすめ 『悩み』を捨てる生き方」

  • 2011.10.22 Saturday
  • 09:41
JUGEMテーマ:オススメの本

 

  【こんな一冊の本】

 

 

 

         阿呆のすすめ

 

        

       〜「悩み」を捨てる生き方〜

        

 

 

                ひろ さちや/著

 

 

   =============================================

 

    

 

  白地のカバーに黒でひと際大きく「阿呆」と、それに続いて「

  のすすめ」とある。こんな表紙だったら、イヤでも目につく。

 

  そしてまた、本書の筆者がテレビでもよくお見受けする宗教評

  論家のひろさちやさんだったものだから、思わず手に取って、

  表紙をめくってみた。すると表紙裏にこうあるではないか。

 

  『何があっても目標を持って頑張る』

 

  『問題を解決する努力をする』

 

  ――そんな「賢い」生き方が正しいなら、どうしてこんな時代

  になってしまったのでしょう?

   

  一時「阿呆」になってみれば、私たちは生き方を間違ったのだ

  とわかります。

 

  どんなに順風満帆な人生は味気ないものだと聞いたって、そん

  なのは、順風満帆な日々を送ることができる人の戯言で、「迂

  路、曲路」の連続で、どうしてこうも自分の思う通りにいかな

  いんだろう思い続けているものからすれば、「これはおもしろ

  そうだ」と思わず図書館で借りることにした。

 

  まずは、「アホウ」である。

 

  「阿呆」「あほう」「アホウ」などと表記する。この文中、原

  則もなく勝手に使い乱れることだろうが、そこはご容赦願いた

  い。

 

  その「アホウ」だが。

 

  徳島県の阿波踊りで歌われる『よしこの』と呼ばれる「エライ

  ヤッチャ、エライヤッチャ、ヨイヨイヨイヨイ、踊る阿呆に見

  る阿呆、同じ阿呆なら踊らな損々」というあの軽快なリズムの

  中に出てくるあの「アホウ」が頭を駆け抜けた。


  今でこそ、上方ことばがテレビの電波に乗っかって、東の方に

  浸透してきてはいるが、それでも「根底」の部分で「アホウ」

  を肯定できないものがある。

 

  では、その「バカ」と「アホウ」がイコールかというと、両者

  に込められている意味やニュアンスはそれぞれに違うようであ

  る、他者がそれぞれのことばから感じるものもこれまた違って

  いるようだ。

 

  大阪生まれのひろさんは、こんなふうに「阿呆」について説明

  している。

  
大阪では、「あんたはアホやなあ」という言い方をよくするが、 
  これを東京のことばに翻訳するのは難しく、「おまえはバカ

  だ」と言ってしまっては、ミもフタもない。

 

  アホには、ちょっと分別(ふんべつ)に欠けていて、抜けている

  人のイメージはあるが、そこには大きな親しみが込められてい

  るという。確かに、「アホ」と呼んだ後の見えない部分にその

  親しみを感じることができる。

 

  ここで、阿呆の反対を意味する「賢い人」と両者の違いをおも

  しろく書いてある。

 

  ある水族館でのこと。

 

  大型の魚を飼育するために、餌として金魚を使っていたところ
  来館者から水族館に「かわいい金魚が食べられるなんて、そ

  な残酷は許せない!」と猛抗議が多く寄せられたそうだ。

 

  そこで、水族館はしかたなく、値段が張るドジョウに変えたと

  ころ、誰も文句を言わなくなったそうだ。

 

  金魚だったら「かわいそう」で、ドジョウだったら、何とも思

  わない。つまり両者の命を分けて考えていると筆者は言う。

 

  これが、「分別」の正体であり、命に変わりはないと考えるの

  が「無分別」だと語る。この分別のあるなしが「賢い人」と「

  阿呆」の違いだと続く。

 

  そこで、また1つの例を。

 

  船が難破して嵐の海に投げ出されたら、泳いではいけないのだ

  そうだ。泳ぎ自信がある人は、力んでしまって、体力を消耗し

  て溺死してしまう。その一方で、自信がない人は、流れて来た

  船板につかまって救助を待つ。さて、となれば……。

 

  これと同じことが、世の中でも言えるのではないかとひろさん

  は言う。

 

  百年に一度という経済危機に見舞われ、将来の見通しが暗く、

  暗澹たるありさまのこの世の中。

 

  「世の中がおかしくなった。どうすれば、いいんだろう」と迷

  って悩む人は、「賢い人」だと言う。

 

  こんな時だからこそ、「阿呆」になろうと呼びかける。

 

  「いつの時代でも、世の中はおかしいのと違いますか?!立派

  な世の中なんて、あった例がないのと違いますか?!」「わて

  は阿呆やから、何にも分かりませんわ。そやから、のんびりや

  りますわ」と。

 

  そんなわけで、本書には「阿呆」になる秘伝の極意が書かれて

  いるのである()

 

  章だてを見ていただこう。

 

   序章  もう、「頭のいい生き方」はやめましょう

 

   1章  こんな時代は「阿呆」こそ幸せ

 

   2章  相手に悩ませておけばいい

 

       他人ができることを自分がするな

 

   3章  将来のために「今」を犠牲にしなくていい

 

       明日できることは今日やるな

 

   4章  理想と「今ここにいる自分」を比べなくていい

 

       「人様からの評価なんて興味なし」の理由

 

   5書  先の心配なんてしなくていい

 

       今を楽しむ阿呆の極意

  
ここまでやっと読んできて、「挙句の果てがこれかよ」と思わ
  れた方には、この先辛いかも知れない。「オレは、絶対『勝ち
  
組』になってやるんだから」そう、野心に燃えているような方
  には、全く本書はあわないだろう。

 

  それでも、もし心の片隅のそのまた端っこの方に「何か」が
  あ
ったら、そのときは一読なさった方がよいと思う。

 

  もう1つ、逸話を。

 

  3章のところの「明日できることは今日やるな」であるが。

 

  凧を上げて、雷が電気であることを突き止めたことで有名なベ

  ンジャミン・フランクリンの有名な「今日できることは、明日

  に延ばすな」という格言について書いてある。余談だが、フラ

  ンクリンはアメリカ独立戦争にも尽くした政治家であることを

  つけ加えておこう。

 

  のるまんじいは、中3の時にこれを英語の先生から暗記させら

  れた。もちろん、ほかのクラスメートたちもだったけどもね。    

   

  “Never put off till tomorrow what you can do today.”と。

 

  数十年も前なのに、これだけは今でもスラスラ出てきやがる!

 

  こんなことをしたら、仕事量がふえるだけだから、「明日でき

  ることは今日やるな」と筆者は言い、トルコにはさらに上を行

  っていることわざがあるのだそうだ。   

 

  「明日できる仕事は今日やるな。他人ができる仕事を自分がや

  るな」

 

  如何だろう。筆者は以来、この諺を人生の糧としているそうだ。

 

  ところで。   

 

  以下の話をみなさんはどう読まれるだろうか。   

 

  「ここに、米が8リットルあります。大豆が5リットルありま

  す。合わせて何リットルでしょう」

 

  この問題を筆者が息子さんに出したところ、「お父さん、それ

  いい問題だね」と言ったそうだ。この問題を学校の先生に出し

  たところ「13リットルに決まってるじゃないか」と。13リ

  ットルにはならないことをいくら説明しても

 

  「バカね、あんたはそんなことばかり考えている」と怒り出し

  たんだとか。

 

  この先生は重さと容積をごっちゃにしてしまったのだろうと筆

  者は書いている。こんなだから、他人のつける成績なんかに一

  喜一憂しないこと。ましてや、「検定試験や資格試験なんて、

  そんなもので何がわかるのか」といったスタンスが大切だとい

  うのだ。

  

  世の中では、批判的にものを見る人が偉い人だと思われている

  ようだが、それは分別の知恵であった、こうあるべきだという

  規範をつくり、そこを基準にして相手を批判するというのは、

  賢い人のやることだと書いておられる。

 

  最後に。

 

  阿呆のように生きるには、どんなときでも「今が人生で一番い

  いときだ」と思うことだ。これが「阿呆」として生きる奥義だ
  と。

 

  古代ローマの抒情詩人・諷刺詩人であるホラティウスの詩の中

  に「カルペ・ディエム」(carpe diem)ということばが登場し
  今日「今日を楽しめ」という意味で使われるのだそうだ。古

  ローマの阿呆に負けず、私たちも、ほんまもんの阿呆として

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「人生後半のための知的生きがい入門」

  • 2011.08.21 Sunday
  • 08:08

JUGEMテーマ:オススメの本

 

 

 【こんな一冊の本】

 

  

        人生後半のための知的生きがい入門     

 

 

 


 

                    板坂元/著        

                    

 

 ================================================

                           

 

 

 随分と前に買った本ですが、このたび読み直してみました。

 

 板坂さんは、その昔、私立武蔵高校・中学で教鞭を取られていた
 そうで、後に成城大学を経て、ケンブリッジ大学、ハー
バード大
 学でも講義をもたれた方です。その武蔵中の2年生
に「日本文学
 史」を教えておいでだったそうですが、生徒た
ちが羨ましいです
 ね。

 

 武蔵高校を去られる際には、板坂さんが過激思想の持ち主という
 理由で学校を追われたなんていうような憶測が飛んだよ
うです。
 最後には創価女子短大の副学長を務められたとのこ
とです。

 

 ご専門は「江戸文学」で『おくのほそ道』を中心に研究されてお
 いでだったそうですが、この本の中にはかなりの守備範囲
の広さ
 を物語るエッセイが並んでいてとても楽しいです。

 

 今回は、この本の中でスタインベックの『チャーリーとの旅』
 サイマル出版会刊)に出会えてうれしっかったんですが。
この前、
 読んだ時は何気にスル―したのでしたが。この度は、板坂さん
が、
 書いておられるなら読んでみようかなと思いました。

 

 この手の本は、ときどき読み返すと新しい発見があるので、手放
 すことができません。

 
 「人生後半」とありますが、知的好奇心があれば高校生にも
読ん
 でもらえる1冊です。それ以上すべての世代の方にお薦め
します。

 短めですみません。将来的に加筆訂正するつもりでいます。
 

 

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        人生後半のための知的生きがい入門     

 

 

 

 

                    板坂元/著 

 

 


            
1995年1月 初版 PHP文庫刊

 

 

  PHP研究所のホームページは

 

   http://www.php.co.jp/

               

 


 
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

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