「オーケストラの職人たち」

  • 2013.10.08 Tuesday
  • 00:02
 JUGEMテーマ:オススメの本

 

 【こんな一冊の本】

 

 

 


     
オーケストラの職人たち

 

 

 

 

 

                  岩城 宏之/著    

 

 

   ===============================================

 

 

  年に何回かはコンサート、リサイタルに行きたいと思う。

  
魅力的な情報はあらゆる媒体を通して入ってくるから、あれ
  も
これもと欲を張ろうものならとたんに別の苦しみに襲われ
  る。
早いことそんな苦しみから抜けて、思う存分楽しみたい
  と思う。

  
ここで単に“コンサート”と書くと範囲が広すぎるから、敢
  え
て今回は「クラシック・コンサート」とさせていただくこ
  とに
しよう。

  
のるまんじいは、どうもひとりで行動するのが苦手になって
  い
るようだ。“億劫”と言い換えてもいいかも知れない。た
  だの
寂しがりやっていうやつかも知れぬ。ともかくお連れに
  いても
らわないといけない。

  
相手がほしい()。近頃、小悪魔クンなんかには「お守りし
  て
よ」と頼むことにしている。

  
そんなのるまんじいが行きたいコンサートだけれども、「演
  奏
曲名」「指揮者」「ソリスト」そして「料金」などからほ
  ぼ直
感的に行くことを決めることが多い。

  
チケットを予約しようか迷うときは、まず“行けなかった”
  と
いう結果が出る。来日するオーケストラなんか、「いいな
  あ」
と思いながら、値段が高く仕方なくなく妄想音楽会で済
  ませる。

  
ともかくどうしても行きたくて我慢できないとき、予約をす
  べ
く受話器を取り上げることになる。できるだけいい席が取
  れる
よう祈りながら。

  
そして。

  
当日は、どうしても早めに動き出す。コンサートで駆け込ん
  だ
経験は未だないと思う。遠足の日の小学生よろしく朝から
  わく
わくして。どう見たって変わり映えのしないおっさんな
  のに、
何を着て行こうかとかね。

  
チケットを持って開場を待つあの退屈な時間。席を確認して
  ト
イレを済ませて。

  
ああ、やっぱりたまらない。

  
でも。

  
著者の岩城さんではないが、1回の音楽会のために、どのく
  ら
いたくさん人の、いろいろな種類の裏の働きがあるか考え
  たこ
とがあるだろうか、と問われたら、正直なところ「ない
  」とか
「なかった」としか答えられないだろう。

  
だが、俄然興味が湧いてくるではないか。   


  以前、同じ岩城宏之氏の『楽譜の風景』
(岩波新書)を読んで楽
  
しかったので、図書館で偶然本書に出会い、興味も抱いた“
  コ
ンサートの裏側”が舞台というこちらも、「じゃあ」と読
  んで
みようかいうことになったのだった。

  
さすが、岩城さんのことだから文章も軽快、明快でやはり期
  待
を裏切らない。

  
でも、こんな文章がまず目に入る。

  
裏方の仕事には、拍手喝采は届かない。彼らの仕事は、100
   
ーセント完璧にいって当たり前なのであって、それを褒め
  られ
ることはないのだ。そして裏方のほとんどの人は、スポ
  ットラ
イトがあてられることを嫌う。

 

            (中略) 

 

  彼らの縁の下のすばらしい働きぶりの一部分でも紹介できれ
  ば
と思い、この本を書き上げた。

  
ちょっとみなさんにはこの文章を意識していただいて、章立
  て
とさわりをご覧いただきたい。

 

 

    レッスン1 裏方の大将は超多忙!  


  オーケストラの事務局とステージマネージャーにスポットラ
  イ
トが当てられる。東京の紀尾井ホール専属の宮崎隆男さん
  とN
HK交響楽団の延命千之助さんを世界一の感じだと評し
  ている。

  
なお、本書は元々1998(平成10)年〜2001(平成13)年にかけて
  『
週刊金曜日』に連載された記事なので、現在についてのる
  まん
じいには不明なことご了解願いたい。

 

 

    レッスン2 ピアノとハーブの大移動

  
どちらも重量の重い代表戦手だが、実際どうなっているのか、

  これは読んでみないとわからない。想像もつかない。そして
  ハ
−プ運送会社の「田中陸運」の話。

 


    レッスン3 1日アルバイトをやってみた

  

  さて、岩城さん、どんなバイトにチャレンジしたのか…。


    
レッスン4 オーケストラ御用達の運送会社

 

  通常のオーケストラの海外演奏旅行のための航空貨物はメン
  バ
ーたちのスーツケース以外、平均約5トンになるそうだ。


  1972
年末に日本フィルハーモニー交響楽団の組合員が起こし
  た
ストライキの話もお読みいただきたい。

 

      
レッスン5 ドクター・イン・レジデンス


  オーケストラの海外演奏旅行に同行するお医者さまのお話。

 

      「ドクターはつらいよ!」

 


    レッスン6 シャフヤは大変!

  
よもや、お読み違いなきように()

  
岩城さんがN響指揮研究員になりたての1955(昭和30)年ごろ、

  あるアルバイトで出会った教会の牧師さんに渡された名刺に
  は
「浄書 カガワ楽譜」とあって、写譜の仕事を回してもら
  える
よう頼まれたのだった。なんとこのカガワさん…、これ
  以上言
っちゃダメだね。

  
このカガワさんの美しい写譜とそうでないものとの比較が、
  
P1
31に載っている。  


 

    レッスン7 東京ハッスルコピーの人たち


  
現在の写譜事情は…。写譜専門会社大手の「東京ハッスルコ
  ピ
ー」の様子を。

 

 
    レッスン8 「クラシック」を定義する


  
いかにも岩城氏らしい…。わかる、わかる。

 

    レッスン9 ピアノのお医者さん

  
あまんきみこさんの『雲のピアノ』(講談社/)をここでご紹
  介させ
ていただいたつもりになっていたが、残念なことにま
  だだった。近
いうちに登場してもらおう。

 

  ピアノの調律師さんが主人公の素敵な作品だから。

  
現実のピアノの調律師さんの世界とは…。

 

  

    レッスン10 プロによるプロのための

 

               プロフェッショナルな調律

  
インターナショナルな活躍をなさってきたという瀬川宏さん
  と
の対談が載る。ともかくお読みくだされ。頭がただ下がる
  のみ。
ピアノコンチェルトが聴きたくなった。

  
知人が何日か前にピアノリサイタルに行って来たと話してい
  た。
オールシューベルトだったって。うらやましい。

 

 

    レッスン11 アンコールはいつ始まった?

  
アンコールが当たり前で、なかったときはがっかりしたのる
  ま
んじいだが…。


     
    
レッスン12 音楽会にチラシが多いワケ

  
音楽会場入り口で渡される、あの大量のチラシ…。のるまん
  じ
い、アレ意外に嫌いではない。映画館の予告編と同じよう
  に思
えるし、易々とできもしないけれども、「次はどこへ行
  こう」
と夢を持たせてくれるもの。コンサート・サービスと  
  いう会社
を取材して。東京と関西圏とでは、ここでも違いが
  あるそうな。
こちらも対談形式で。

 
  
そして、話は「もぎり」にまで発展し、「日比谷サービス」
 
  を
創設いたというもぎりのおばちゃんたちに当時の10年前に
  訊い
た話を思い出深げに岩城さんは著すのである。

 

   「もぎり」

 

   

  何て哀愁を帯びた懐かしいことばだろうか。

  
録音しておけば、戦中戦後の音楽会の裏話は、非常に面白く、

  貴重な記録だったのにと。「もぎりのおばちゃん大いに語る」

  という座談の1冊ができたのにと岩城さんは残念がっている。


  
「もぎり」よ、今夜もありがとう。

  
もちろん、岩城さんがこんなオヤジギャグを言う訳がない。

  
さて。

  あなたはどんなコンサートにおいでになりたくなられただろ
  う
か?のるまんじいは…。それは、またの機会に。

  
一般向け。クラシックファン、岩城宏之ファンはもちろんの
  こ
と、たくさんの方にお読みいただきたく思う。和田誠さん
  の表
紙絵も一見の価値がある。一読をお薦めする

 

 
          
  ==============================================
   

 

 

 

     岩城さんが初代音楽監督を務めた

 

 

          オーケストラ・アンサンブル金沢

 

 

      http://www.orchestra-ensemble-kanazawa.jp/

 

 

  ===============================================

 

 

 

     田中陸運のホームページは

 

  

 

     http://www.t-rikuun.com/#/top/

 

 

  ==============================================

 

 

 

     東京ハッスルコピーのホームページは

 

 

 

     http://www.hustlecopy.co.jp/

 

 

   
   ==============================================

 

 

 
     コンサート・サービスのホームページです

 

 

 

     http://service.concert.co.jp/

 

 

 

  =============================================

 

 

 

          オーケストラの職人たち

 

 

 

   

 

                  岩城 宏之/著    

   

 

         

      

             2005年2月 初版 文春文庫刊

             

 

 


 
             文藝春秋のホームページは

 

        http://www.bunshun.co.jp/

      

       

 

  

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