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    「紳士の食卓」

    • 2013.01.05 Saturday
    • 08:17
    JUGEMテーマ:オススメの本

     

      

     

      【こんな一冊の本】

     

     

     

     

             紳士の食卓

     

     

     

                     板坂 元/著

     

     

        
      ===============================================

     

       

     

       

     小学館から発行されている雑誌に「サライ」がある。

     

     この雑誌。

     

     「わが国初の大人の生活誌」として登場してから、すでに20
     という時を刻んできた。ご存知のようにシニア向け雑誌の魁
    であ
     る。

     

     手ごろな価格でありながら、なかなか充実した内容が登場し、
     いつい手がのびるのだが、そんな「サライ」に以前、『紳士の

     儀』として掲載されていたものをまとめたのが、きょうのこ
    の1
     冊である。

     

     紳士――

     

     このことばはのるまんじいにとって、どうも縁のなさそうなこ
     ばだし、また、近ごろとんと耳にしなくなったことばの1つ
    のよ
     うに思っていたら、いやいやそれはとんだ誤解で、「紳士」
    とい
     うことばが題につく本が多く出版されているようである。

     

     山家育ちののるまんじいゆえ、そうなりたいと今でも憧れを持つ
     こともる。
    それが、うっかりすると“紳士”の猿真似よろしく火
     傷を負い
    かねないからたまったものではない。

     

     よって、このことばに下手に近寄らぬようにしている。いるのだ
     が、1年ぐらい前のある日、本書『紳士の食卓』を持って
    いるか
     否かをわが文章修業の師匠から尋ねられたことがあった。
    何気に
     「否」と答えたところ、「では」といただいてしまったの
    だ。

     

     恐縮しながらも、「まあ、いただいてしまえば、こっちのもの
     とばかりに、早速にページを繰りながら、さも自身で買い求
    めた
     ようにはしゃいでいる始末である。

     

     やはり、「紳士」にはなれない(苦笑)。

     

     おもしろい。確かにこれは“おもしろい”。著者があの板坂元
     んなのだから間違いはないいし、今回は写真もたっぷり載っ
    てい
     て、視覚的にも十分に味わうことができる。


     まずは、この表紙写真に目を奪われる。よく見れば、醤油さし
     数々である。

     

     ガラスあり、陶磁器あり、それも丸あり、角あり、はたまた狸
     り、つづらを背負った熊あり、大黒天あり、逸品ものあり、
    景品
     ありといやはやなんともにぎやかである。その中に秩序あ
    りとな
     かなかである。

     

     実は、のるまんじい、この“醤油さし”、いささか苦手である。
     
    醤油を注いだ後のあの色のあの情けなげな液垂れがどうも好き
     はない。うまく注げないのを棚に上げているのだが、口のと
    ころ
     から筋になっているのがみっともなく思え、だめなのであ
    る。

     

     不器用なのるまんじいのことゆえ、「あ〜あ、やっちゃったあ〜
     」、と思うより早く周りから冷たい視
    線が注がれる。だから、使
     わない。写真でこうやって見るのは美
    しいと思うのだが、使わな
     い。

     
    板坂さんはこの“醤油さし”もコレクションなさっていたのだ
     う。

     

     そんな板坂さん、長崎料理の茶碗蒸しで有名な銀座の「吉宗(よ
     っそう)」で食事をした際に、店の醤油さしがなんと
    も味があっ
     たので、もらい受けたそうだ。

     

     小学生のころを長崎で過ごした思い出がその醤油さしを通して
     みがえってきたのだと書かれておられる。

     

     たかが“醤油さし”ということなかれ。ちょっと目を凝らせば、
     
    おもしろいものが転がっているではないかと。

     

     こだわりを持てば、そこには新しく深い世界が広がっているだ
     うと。

     

     「紳士たるもの、こだわりを持つべし」と書かれる。

     

     であるなら、そのようにいくつか見ていくことにしようか。

     

     紅茶

     

     1773(安永2)年に、かのボストン茶会事件は起こった訳だが、
     
    あの事件はアメリカ合衆国独立の引き金になった1つであるとい
     
    うことはなんとなく覚えている(年号を覚えるのが、からきし駄
     
    目でとても無理だけれども)。まあ、そんな事件があったからか
     ど
    うかは定かではないが、アメリカでのティとコーヒーの消費量
     
    比は板坂さんが原稿を執筆当時でさえ、1対7なのだそうである。

     

     “憎きもの、汝の名は紅茶なり”なんちゃって()

     

     このことだけでも随分と興味深い。

     

     それに対してイギリス人は無類の紅茶好きはそれほど変わって
     ないようだ。と、思っていたら、そのイギリスで、今、新大陸生
     まれの緑色がト
    レードマークのあのコーヒ−チェーンが若者たち
     から支持を受けて
    いるそうだ。ティは“ダサい飲みもの”と呼ば
     れていると聞い
    ているので、いささか不安ではあるのだけどね。

     

     紅茶と言えば、かのリプトンの黄色の包みが我々には親しみ深
     が、あの包みの色、金・銀・黒・緑・白があり、値段のラン
    ク付
     けがされているんだとか。思わず、「へぇ〜」。じゃあ、あ
    の“
     黄色の包みは如何に?”

     

     本書ではまだ取っ手がついていない古い形の、まるで煎茶々碗
     ようなカップをモノクロで紹介しているのだが、それがオラ
    ンダ
     の画家フェルメールの故郷のデルフト製だとある。まことに珍し
     いもので、そこに紅
    茶が貴重だったころとカップの変遷がしのば
     れる。

     

     現代のイギリス人たちは気取らずに大ぶりなマグカップでティ
     を楽しむらしい。のるまんじいはそれもいいが、やはりティ
    ーカ
     ップで楽しむのもいいなあと思うのだ。ティーポットにあ
    る紅茶
     だったら、ティーコージ―を被せておけば結構いつまで
    も温かい
     し。手づくりのティーコージ―なんかににこだわりを
    持つのもい
     いんじゃないかなあ。

     

     それに比して

     

     ココア――では、

     

     19世紀ヴィクトリア朝全盛期のそれは美しく優雅なココアカッ
     が載っている。

     

       はてしなき議論の後の

       冷めたるココアのひと匙を啜りて、

       そのうすにがき舌触りに、

       われは知る、テロリストの

       かなしき、かなしき心を。

     

                 (石川啄木『悲しき玩具』)

     

     

     啄木から芥川龍之介というメニューは中学校時代(旧制)のハシ
     カとい
    うか通過儀礼のようなものだったと板坂さんは語る。そう
     いう
    ハシカのようなものを後年、男子御三家の武蔵中で教鞭を取
     ら
    れた時に当時の生徒たちに伝えていかれたのだろう。

     

     啄木のココアの感じには社会主義とかテロリズムの汗臭いイメ
     ジがつきまとう。

     

     そのココアが17世紀あたりのヨーロッパでは、圧倒的人気を博
     ていたという。

     

     ゲーテも「一杯のココアを飲むと、1日の旅が楽にできる」と
     しているそうだ。

     

     のるまんじいもココアはミルクたっぷり、砂糖入りが大好きで
     ま〜にだけれど飲みたくなることがある。こちらはお気に入
    りの
     マグカップでね。

     

     いやいやそれだけではない。真夏のくそ暑い日、持つのも躊躇
     ぐらいに冷やしたグラスのアイスココアを求める
    こともある。こ
     ちらは喫茶店でないとだめかな。

     

     そのほかに、「お茶漬けの味」「燗鍋」「五色の酒」「重箱」
     煎茶」「ナプキンリング」「バター・パット」「ピュ―タ―
    」な
     ど珠玉の文章が美しい写真と共に紹介されている。

     

     本書の“うしろ書き”で、板坂さんは、アンティークを触ったり、
     料理
    を味わったりしていることは、貴重な“徒労”かもしれない
     と
    書く。そしてこの徒労には捨て難い楽しみと満足があると。生
     活の片隅に見出すものたちにはすばらしい雅趣が底流している。
     その味を反芻しながら楽しむ。と。

     ここで、「紳士の食卓」とは何かに答えが与えられたように思う。

     「徒労」だが、「無駄な骨折り」だと国語辞典にはある。板坂さ
     んが言うところの“徒労”なら、して見るに限る、大いにすべき
     だ、そう思うのだ。

     人生にまた1枚の襞が刻まれるに違いない。

     

     江戸文学に精通した板坂ワールドを探訪するにはもってこいの
     冊である。徒然なるまま、日ぐらし、本を繰れば、そこはか
    とな
     く、とでもいった心地になれるのではないだろうか。

     

     雑学大すき、知的好奇心いっぱいの中学生以上に、シニア世代
     はもちろんご一読をお薦めさせていただきたい。

       

     

      
     ===============================================

     

     

     

             紳士の食卓

     

     

     

                     板坂 元/著

       

     

             

          

                 1996年4月 初版 小学館刊

                 

                 

     

     

                小学館のホームページは

     

            http://www.shogakukan.co.jp/

     

           

     

      

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      コメント
      おぼうさん。出版社勤務の主人公なんですか。
      ちょっと気になり出しました。
      • のるまんじい
      • 2013/02/10 8:32 PM
      えーーーーーー!!

      そうなんですか!?

      本の傾向は、そうだったんで!?

      出版社勤務なんですよ。この役!!

      逃避は「ドラマ」の醍醐味といいますか、
      ドッペルゲンガーはおぼうも苦手ですが。


      「ドラマ」の存在意義をどう捉えるかもいいですな
      • おぼう
      • 2013/02/09 10:58 PM
      おぼうさん、ドラマの紹介ありがとうございました。
      のるまんじいには、ちょっと……と思いますが、
      ここを訪れてくださる方の中で関心を持った人が
      いるといいなあと思います。
      • のるまんじい
      • 2013/02/09 7:38 PM
      「生涯、妻を愛する男」と呼ばれていた愛妻家が、「肉体の小悪魔」と呼ばれる妻の親友との浮気におぼれ、その過程でこれまで知らなかった愛する美しい妻の「恐るべき素顔」を知り、「女と女の戦い」に巻き込まれて右往左往し、「愛人が壊れていく」さまにおののき、妻と愛人の板挟みに悩む…。男は、いったい「妻」と「愛人」のどちらを選ぶのか。 (フジテレビより)


      本木雅弘主演のドラマです。恐らくDVDレンタル可能と思いますがどうやらそうでもないようで。


      脚本は、野沢尚脚本です。
      http://www.jellyfishcafe.com/works/drama/suiyoubi-no-jyouji

      再放送がありましたら、是非。
      • おぼう
      • 2013/02/07 10:36 PM
      のぼうさん、コメントありがとうございます。
      ペットボトルの“お茶も飲みますよ。
      「おーいお茶」も「伊右衛門」も。
      「伊右衛門」はCMの宮沢りえさんの
      着物がいいですね。しっとりとした落ち着いた
      風情のものをお召しですよね。

      「雪苺ラテ」、知りませんで。
      ぜひ、いただいてみたいですね。

      教えていただいてありがとうございます。
      • のるまんじい
      • 2013/02/07 4:53 PM
      のるまんじいさま
      沢山教えていただいてありがとうごさいます。
      どれも、おいしいものですね。

      ペットボトルの「生茶」を飲んだことはありますか?
      たしか、キリンだったと思います。
      それとも、伊藤園の「お〜いお茶」が合いますか?
      おぼうはずっと、サントリー「伊右衛門」福寿園のお茶を
      愛飲していました。
      珈琲は、ドリップが美味しいですね。

      香りの余韻がわからないものですから。

      雪苺ラテなんていうのも、この季節だと
      暖まりますよ。
      • おぼう
      • 2013/02/07 12:08 AM
      おぼうさんの質問に。

      お茶は全般に好きです、って答えにならないかな。

      抹茶ですと、濃茶、薄茶も。
      玉露、煎茶、ほうじ茶、玄米茶、麦茶も。
      中国茶も烏龍茶、茉莉茶、プーアル茶、青茶、白茶etc.
      紅茶はストレートでも、ミルクティでも。
      ルイボス茶もいいですね。
      フレーバーなものは、紅茶やルイボスベースで。
      ハーブティもいいですね。
      お茶ではないけど、コーヒー、ココアも好きです。
      ただ、アルコール入りはいけません(苦笑)。

      もっと細かくとなりますと…書き切れないので。
      取りあえず。

      おぼうさんは如何ですか?
      • のるまんじい
      • 2013/02/01 9:31 PM
      ジェントルマンたるもの茶というものを
      楽しむときは真空抹茶・・・と伺います。

      ぜひ、のるまんじいさまのお好きなお茶を
      おしえていただけたらと存じます。
      • おぼう
      • 2013/02/01 9:00 PM
      サーモンサンドですか。それもいいですねえ。
      お茶は何がいいですか?
      • のるまんじい
      • 2013/01/31 7:30 AM
      お褒め頂きまして
      誠にありがとうございます。

      私も、フルーツサンドはなぜか今ひとつでして、サーモンサンドが
      お気に入りでございます。
      • おぼう
      • 2013/01/30 10:31 PM
      おぼうさんはどんなサンドウィッチがお好みですか?
      のるまんじいはフルーツサンド以外だったら、
      大丈夫です。

      スッパマンの画像ありがとうございました。
      『Dr.スランプ アラレちゃん』すきでしたねえ。
      もちろん、アニメになる前からです(笑)。
      • のるまんじい
      • 2013/01/30 8:53 AM
      可愛い詩ですねえ。
      と、思ったら梅干しが出てきて、思わず
      口をとんがらしたら、スッパマンの
      登場に笑ってしまいました。

      うまいですねえ。
      • のるまんじい
      • 2013/01/30 8:46 AM
      http://image.search.yahoo.co.jp/search?rkf=2&ei=UTF-8&p=%E3%82%B9%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%9E%E3%83%B3#mode%3Ddetail%26index%3D11%26st%3D473

      おぼうです。ジェントルマンについてと共に。

      寒さもそろそろバレンタインの熱気で和らぐ頃でしょうか?
      お年玉のお返しなどものるまんじい様ですと楽しみでしょうね。
      • おぼう
      • 2013/01/29 6:30 PM
      茜空
      ポットティー
      お坊ちゃま
      いやいやあ
      梅干すっぱい
      スッパマン

      これなんかは、詩なんですよ。
      • のぼう
      • 2013/01/29 6:18 PM
      のぼうさんのおっしゃるとおりですね。
      ロールケーキも奥が深いですね。
      おふたりの絵が浮かんできますね。
      • のるまんじい
      • 2013/01/08 12:24 PM
      「堂島ロール」、苺パフェでも
      よさそうですけど。
      雰囲気だけでも味わいたいですね。

      堂島ろうる
      デジカメぱちり
      記念撮影
      あなたとふたり
      しゃんでりあに
      • おぼう
      • 2013/01/08 12:28 AM
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